飛び石の間を埋める

1作目のようなオムニバス形式かと思ったら、1つの繋がったハナシだったでござる。

「物語の主人公はご自身のことですか?」
「もし実写化されるとなった際、主人公はやはりご自身で?」

という記者やファンからの問いに対して、違う、絶対に嫌だと常に言っている松井玲奈さん。

でも以前「インプットがあって、アウトプットがある」ということもまた言っておられまして。アイドル時代は誰よりもマメにブログを更新していた松井玲奈さんですが、今は確か、アウトプットを小説に集中するためにSNSの投稿を控え目にしているはず。

だからどうしても、松井玲奈さんが書く文章には松井玲奈さん自身の人生経験が投影されている、と思ってしまうわけで。

僕には主人公の小夜がアイドルで、その結婚相手の葉さんがオタクに思えて仕方ありません。

行きつけのコーヒーショップの店員さんがいつものオーダーを覚えていてくれて、しかも自分だけのためにカップに可愛いイラストを描いてくれて、それから毎回そういう状態になって… なんて僕みたいなヒトならなら絶対「ふあああ!」ってなります。天使キター!ってなもんです。

でもたぶん、ヒトによってはメチャメチャ警戒するでしょうね。そりゃそうでしょう。というかそれが普通でしょう。でもオタク(の一部)にはそれがわからんのですよ。

憧れのアイドルと結婚できて幸せの絶頂にいるオタク。でもそのアイドルはオタクが知らないところでオタクには想像もできない様々な経験をしていて、その経験の中にはオタクには絶対に受け入れられない、生々しく、暗く、汚れて、嘘にまみれた真実があるのだと。

以前、あるヒトから「結婚に際しては男も女も残酷なまでの取捨選択をする」と聞いて、それはおそらく「一発勝負では絶対に成功しないぞ」という警告であり、だから「お前もその準備をしておけ」とか「カードを持っておけ」とかいう意味なのだろうと受け取ってましたけど…

朝から松井玲奈さんの小説を最初から最後まで一気に読んで、そんなことを思い出したアラフォーの有休でございました。

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