TPX_EVO_:
“Very strange quali. He never back off and used my tow fully one lap!! It was… not fair.”
ryoppen:
“That’s our strategy. That’s all. Where does it say that you must not use tow in qualifying?”
予選からバリバリにバチバチ。EVO選手の後ろにピッタリ付けたペンギン選手がスリップストリームを使う掟破りの地元走り(違)を炸裂。結果、予選3位にペンギン選手、1000分の32秒差の4位にEVO選手が並びました。ポールポジションはシーズン後半になってトップランカーの圧倒的な速さを見せつけるライオン選手。フロントローの隣には予選番長疑惑のcara選手…
マツダ100周年記念杯、最終戦スパ・フランコルシャン。シリーズチャンピオンの行方はEVO選手とペンギン選手の2人に絞られました。ペンギン選手が逆転するには優勝且つファステストラップポイントを獲るのが唯一自力で可能な条件。ファステストなしの優勝、あるいは2位の場合は間に1台挟む必要があり、3位以下では自動的にEVO選手がチャンピオンです。とにかくEVO選手の前! 2位以上! これが絶対条件です!!
決勝は9周。ギア比のセッティング次第ではギリギリノーストップで行けるものの、それでもかなりの燃費セーブが必要です。
ペンギン選手、ロケットスタート! ここに向けて大きくギア比を変えた効果が出た模様。最初のリアクションはそこそこでしたが、そこからの加速が素晴らしかった! 逆にライオン選手はイマイチでcara選手、ペンギン選手の間に挟まれる格好。
スパのホームストレートは短い… 行けるか!?
ハナをねじ込むペンギン選手!
が、大外からcara選手が被せてラインが窮屈に…
cara選手が先頭に立ちました。ペンギン選手はインベタから加速できずにここは一旦引きます。が、スパの1周目はここからです。
名物のオールージュを全開で駆け上がる!!
ラディオンを抜けてケメルストレート! 先頭はcara選手。ペンギン選手もかなり伸びていますが前を行くライオン選手もcara選手のスリップを使っているので抜け出せず。
にしてもここでイン側(画像向かって左側)に寄るということはcara選手、もしかして直線の伸びに自信がないのかも?
スパのセクター2はずーーーーっと下り坂のコーナー区間です。この最終戦に向けてペンギン選手は約1000kmものコソ練をこなしてきましたが、この区間をどうしても速く走れませんでした。ので、開き直ってセクター1、3に全振りしたクルマを作ってきました。そうです。今日のまゆゆ号はいつものコーナリングマシンではありません。
直線番長、渡辺麻友号
爆誕。
2周目、ライオン選手が早くもcara選手を捉える!?
ケメルストレートで並ぶ!
ライオン選手、ターン7(レコンブ)で外から行く!
cara選手はほとんど抵抗できない!
鮮やかにリードチェンジ。
マジでここ数戦のライオン選手はキレキレです…
前方のバトルで若干、前が詰まったペンギン選手にEVO選手が「ご挨拶」。いやいやこんなところでは行かせませんよ? とばかりに閉めるペンギン選手。このシリーズですっかり「ブラックまゆゆ」が板に付いてきたような?
とにかくEVO選手の前! 2位以上! です!!
っと? EVO選手的にはこの位置関係ならフツーにシリーズチャンピオンですので焦る必要は全くナシ… なのですがターン18(ブランシモン)で一瞬の油断があったか? ビミョウにコース外に出てしまうミス!
GTをやらないヒト… は、この記事を読んでないと思いますけど念のため説明しますと、ああいうふうにコース外を走るとタイヤにゴミが付いて一瞬だけグリップが下がる仕様です。
そのせいでEVO選手、最終シケインでややオーバーシュート!
たったこれだけ? という小さなミスでもペンギン選手にとってはものすごく大きい! これでEVO選手をスリップ圏外に追いやることができました!
あとは前を追うのみ!!
2位のcara選手は全くと言っていいほどペースが上がらない… ライオン選手からジリジリと離されています。ということはスリップを使えない。ということはペンギン選手にチャンス到来!!
4周目、1コーナーを立ち上がってロックオン!
オールージュを上り切って… 今日のまゆゆ号はここから伸びるぞ!!
み~~~~~んなの目線をっ!? いただき~~
まゆゆ!!
ペンギン選手2番手浮上! EVO選手は4番手変わらず… この位置関係ならペンギン選手が逆転チャンピオンです! すごいです! ペンギン選手にとってメチャクチャ良い展開になっています! こんなことありますか!?
先頭ライオン選手には… ちょっと追い付けそうにないペンギン選手。あと自分にできることは、この2番手を守ることだけです。ここは集中です。超集中です。絶対にミスはできない。仮にEVO選手が上がってきたとしてもやるだけやって終わらなければいけません。それが最後まで支えてくれた(架空の)スポンサー、最高のクルマを作ってくれた(架空の)チーム、亡霊になってまでまゆゆを応援してくれるファンに対する責任です。
そうでしょ? 最終戦って? ねぇ 旦那??
そんな、謎の覚悟を胸に驀進(ばくしん)するペンギン選手! 凄い直線スピードです。なんと単独走行ではcara選手より7km/hも速い! よっ! 直線番長!!
一方、苦しくなったEVO選手。後ろからはFBCが誇る稀代の感覚派こと気まぐれなネコ、ことクリスタル選手がプレッシャーを掛け続けています。
周回を重ねても全くペースが落ちないクリスタル選手… 他のクルマとは大きく異なる魔セットを施されたねこレーシングの清涼飲料水&お菓子号。動物的な動きでEVO選手に襲い掛かります。
だいぶ近いぞ!?
6周目のケメルストレートで並びかける!!
一瞬クリスタル選手が前に… 出ましたけどEVO選手も応戦する!!
EVO選手ここはギリギリキープ。
しかしクリスタル選手はもう、どこでもイケル状態! トップ独走中のライオン選手も含め、全てのクルマの中で際立ってフロントタイヤが残っています。逆にリアタイヤは減っていて下りのコーナーでは絶対走りにくいはずなのに恐るべき! 謎の! テクニックでねじ伏せています!
EVO選手ピンチです! クリスタル選手は完全なオラオラ状態! これはもうネコじゃないです! 虎です! 猛虎です! タイガーモードに入ったクリスタル選手が右に左にクルマを振って威嚇(?)しています! 怖すぎる!!
とか言ってたら、ペンギン選手に抜かれた後さらにペースが落ちたcara選手がEVO選手とクリスタル選手の4位争いに吸収されて3台での3位争いになりました… EVO選手的にはややこしい! ややこしすぎる展開です! まさに泣きっ面にハチ!
しかしこれでEVO選手がシリーズチャンピオンになる目が復活してきました。この3台の中で一番前に出れば良いのです! 意地を見せられるか!?
7周目! EVO選手仕掛ける!!
もうストレートでもガッチャンガッチャン当たってスゴイことになっていますが意地と意地のぶつかり合いとはこのことでしょう! 半分芝生まで押し出されたEVO選手も粘る!
まるで今レースが始まったかのようなアツさで突っ込む3台!!
レコンブ手前で3ワイド!!
EVO選手が気合で3番手浮上!!
えええ!?
ペンギン選手のシリーズチャンピオンは夢と消えるか……!?
三つ巴でバトッてるから後ろのtoy選手、kuni選手も追い付いてきました! 盛り上がってます! ここだけメチャクチャFBCの最終戦らしくなっています(笑)
一旦は前に出たEVO選手ですが後ろからは相変わらずタイガーモードのクリスタル選手。しかしスパの追い抜きポイントといえば先ほどから再三バトルが生まれているケメルストレートエンドのレコンブか最終シケインの飛び込み… あと2周、EVO選手が鬼のレイトブレーキングでそこだけは! という守りをしてきたらどうなるか……
な?
非常識なっ……!?
クリスタル選手、世界有数の高速コーナー(F1ではただの全開区間になっちゃいますが)ブランシモンでまさかのオーバーテイク!! すごい! すごすぎる! なんなんだこのクルマは!? 意味がわかりませんがメチャクチャ曲がってます!!
ありがとう! グッジョブ! グッド! ジョブ!!
残り2周でクリスタル選手が3番手。EVO選手は付いて行けない模様です…
…ということは?
そういうことです!!
ファイナルラップ!!
運ぼう! ゴールまで! まゆゆ号を運ぼう!!
優勝はライオン選手!!
シーズン後半は手が付けられない速さでした。スプラッシュ・アンド・ゴーで圧勝した富士、100kg背負ってもしれっと表彰台のレッドブル・リンク。そして予選、決勝と異次元の速さを見せたここスパ… この速さを最初から出せていたら? いや、もしかしたら単にウェイトハンデの巡り合わせだけの問題だったのかもしれません。
……そして!!
ペンギン選手、2位フィニッシュ!!
EVO選手を抑えて…
3位にクリスタル選手!!
ペンギン選手!!
GTSPORTになってから初の…
FBCシリーズチャンピオン!!
いやーまさかの。まさかまさかの展開。前回シリーズの最終戦もそうでしたが、いつもはペンギン選手にとって「ジョーカー」的存在のクリスタル選手が奇跡の!? 特大の!! 援護射撃をしてくれるというスーパーサプライズがあっての逆転チャンピオンでした。GTSPORTになってからシリーズ2位はありましたけど、あんまり2位感はないというか… なんとなく全部出てたから2位だっただけという感じだったので…… いやあ嬉しい。普通に嬉しい。草レースだって嬉しい。
まぁ トータルポイントではEVO選手に負けているように、ぶっちゃけ純粋な速さでは3~4番手でしたけどね? ただ、波がなくというか、常に安定して走れるクルマを用意できたことが功を奏しました。あとはサルトでライオン選手、鈴鹿でEVO選手とぶつかって結果的に両方とも前でフィニッシュしたという「黒さ」? 完全にブラックまゆゆでした。改めてその節は申し訳なかったです。あそこまでやって、ギリギリでチャンピオンって感じです。ホントにFBCは厳しい。草レースでも厳しい。いやー… 勝てたのか……
ハミルトンに勝ったニコ・ロズベルグの気持ちがほんのちょっっっっっっっとだけわかる気がします。また同じようにはできませんね、確実に。
マツダRX-VISION GT3は「FRなのにMRみたい」と言われるようなセンシティブな挙動が最初は難しかったですが、いろいろイジってみるとセッティング感度が非常に高くてとても面白いクルマでした。マイルドにもできるし、コーナリングキレッキレマシンにもできるし、最後のような直線番長も作れる。世の中的にはセッティング有のレースは条件が揃わないからeスポーツじゃない! という風潮が根強くありますが僕はそうは思いません。
「自分の手足のように動かせるクルマができて、そこからがスポーツ。」
声を大にして言いたい。
今回のシリーズもみなさん、ありがとうございました。また走りましょう!!
せーのっ!
おつかれさまゆゆ~!!