マツダ100周年記念杯、Rd.7は聖地・鈴鹿サーキットで行われる「鈴鹿100km」。今シリーズ2つ目のロングレースでポイント1.4倍のためシリーズランキングを大きく左右する重要な1戦であるとともに、なんといっても「鈴鹿で速いヤツが一番」と言っても過言ではない、クルマとドライバーの全てが試されるプライドを懸けた戦いでもあります。
当然、ペンギン選手のまゆゆ号も鈴鹿スペシャルのセッティングを施して万全の体勢。特にロングランペースを重視した超絶コーナリングの鬼に仕上げました。130Rを全開で抜けていくオレカッケーというシンプルに自己陶酔感しかないアツさ? これですよ(何が)
予選はまずまずのラップをまとめて、これはイケたかな? と思いきや、二度目のインディ500制覇を果たした佐藤琢磨仕様のリバリーで気合みなぎるシリーズランキングトップのEVO選手が、ただひとり1分58秒台という驚異的なハイパーラップをキメてポールポジション獲得。いやマジでこのタイムは全く見えませんでした素晴らしいです。こんなところで国体レベル(クリスタル選手談)の走りが出るとはびっくらこきました。
インディ500制覇でRLLRに2012年の忘れものを届けた佐藤琢磨「レースをできる僕たちは幸せだ」https://t.co/SrUCgwX23p #indyjp #INDY500 #TakumaSato pic.twitter.com/38M3PWtiFi
— autosport web (@AUTOSPORT_web) August 24, 2020
にしても佐藤琢磨すごすぎる。これでイチロー、王さんクラスのレジェンドと肩を並べたと言って良いのではないでしょうか!? 国民栄誉賞モノ! 日本の誇りです!!
本当におめでとう&ありがとう琢磨!!
というわけで鈴鹿100kmにハナシを戻しまして… 決勝は18周。ちょっとだけ燃費セーブすれば1ストップでイケル計算です。タイヤの持たせ方がカギになるか!?
スタート直後、予選3位のcara選手と4位のライオン選手が軽く接触。コース外に出てしまったcara選手は最後尾まで下がってジ・エンド。残り99km以上あるのに早すぎる…
先頭EVO選手。ペンギン選手、ライオン選手の順で続きます。
超絶コーナリングマシンのまゆゆ号は、強大なダウンフォースを生み出している分ドラッグ(空気抵抗)も大きくストレートでは分が悪い… なのでホームストレートではEVO選手に離され、ライオン選手に詰め寄られることになります。
しかしコーナーでは速い!
鈴鹿名物のS字コーナー、その次の逆バンク、ダンロップコーナーでは水を得た魚のように素晴らしい動き(自画自賛)を見せつけます!!
そしてこういうクルマはレースペースが良い。EVO選手、ライオン選手がそろそろ気を遣い出したかな? という4周目の130Rでも、まゆゆ号はお構いなしの高速コーナリング。
シケインのブレーキングで一気に詰める!
これはイイ距離感!
と思ったら最終コーナー、EVO選手に近付きすぎたか? リアが突然抜けて「ドゥルン!」となったペンギン選手、危うく横を向くところでした…
これでライオン選手が前に。
ライオン選手は3台の中で一番タイヤを消耗している? もしかすると、相対的にアンダー傾向のセッティングだったかもしれません。それでもなんとかEVO選手には付いて行けるようです。ペンギン選手は相変わらずコーナーで余裕があります。
それぞれが決め手に欠きつつ、ミスもなく、ちょっと小康状態… と?
“Box, box!!”
無線が入りました! ピットです!
レースの真ん中、9周目終わりでトップ3台が同時ピットイン!!
燃料残量もほぼ同じ!
これは、ピット作業で抜くのは難しいか!?
ピットアウト! オネガイシマス!!
電車かな?
こうなったら勝つためにはコース上で抜くしかないペンギン選手。前の2台のタイヤがタレるまで待つか? それとも自分のタイヤがガッチリ食いついているうちに勝負を賭けるか? なんとなーく感触的に、単独でのラップタイムはペンギン選手が一番速そう…
となれば、イッてもいいな??
ふと見れば、前を行くライオン選手はどうもブレーキング時にタイヤがロック気味? 11周目のスプーンでもその兆候が出て、きもーーーち距離が近付いたような…
ペンギン選手、今度は立ち上がりも上手く行った! チャンス!!
西ストレートでスリップストリームに入って…
気合一発、130R! からの!!
いただきまゆゆ!!
シケインのブレーキングでズバッと一閃。ぱちぱちぱちぱちぱち。
が、しかし。
再三申し上げている通り、ストレートで激遅なまゆゆ号は直線で抜き返される恐れ大なので、ここは意地悪くインベタラインを走るしかなし。仕方ない、仕方ないんだ… 実際のレースでこんなところを走ったらタイヤカスを踏んで大変なことになります。まぁ そこはね? うん。
なんとかキープ。ペンギン選手が2番手浮上。
ライオン選手をオーバーテイクしてからもEVO選手よりコンマ3~5秒速いペースで追い上げるペンギン選手。ここまで来たらもう「たぶん」じゃなく確実にレースペースは上回っているでしょう!
“Okey, good pace. You are the fastest car. Keep pushing!!”
“Gambari-Mayuyu!!”
コース前半のセクター1、2で速いのがペンギン選手。セクター3、4はEVO選手が速いですがスプーンと130Rからシケインの飛び込みまではペンギン選手の方が速い。低速コーナーからの立ち上がりと直線の伸びはEVO選手の方が速い。というふうに、ここまで来るとお互いがお互いの戦闘力を手に取るようにわかっています。
つまり… ペンギン選手としてはセク1、2で近付いて… ちか……
これだいぶ近くね!?
Don’t think!! feel.
ヒトが物事を考え抜いた先には無意識がある。そう先人は言いました。確かにその通りだと思います。最後は感じたままに。それでいいんです。
(ガシャン!!)
“What is he ****ing doing!!? ****!!”
“Ah… he opened the door. So…”
“Yeah. No problem. Just go.”
14周目でついにトップ交代!!
“Geki-Oko-stic-Finaliality-Pun-Pun-Dream!!!!! Geki-Oko!!! ****!!!”
チームメイト同士、接触して抜かれたことに怒りのEVO選手。パッシング連発の超オラオラ状態でオラオラがオラオラです!!
さあペンギン選手はここから鬼門の直線区間。
まずは西ストレート…
ここはベテランらしく、いやらしいラインで防御です!!
からの、シケイン入り口も真ん中を通るいやらしさ!
いやらしい! いやらしいというかもはやエロい! エロスライン!!
あとはこのホームストレートを抜ければっ!
S字まで辿り着けばきっと、きっと離せるんやあああ!!
ピットウォールに擦り付けんばかりに、ビッタビタ。
(ガシャン!!)
あっ……
“Sorry guys, sorry…”
“Talk after the race. Keep your head down. Let’s win!!”
“Copy.”
チームメイト(架空の)を飛ばしてバツが悪そうなペンギン選手。しかしレースは終わっていません。ここまで来たら勝たなくては!!
前半スティントの状況からすると、後半になればライオン選手のタイヤはキツくなるはず。ペンギン選手は落ち着いて走れば十分逃げ切れる!
残り2周。ほんの少しずつですが差が開き出しました。イケル!!
が、なんと。
得意の130Rでミス。いや、まだ大丈夫、だよね?
ファイナルラップ… 鈴鹿100kmのファイナルラップ!!
ライオン選手が迫ってきますが… この距離なら抜かれはしない… はず!
かなり接近した状態で1コーナーへ! しかしこれだと、ライオン選手にはまゆゆ号が起こす乱気流が容赦なく浴びせられます!!
まゆゆの加護、再び。
ペンギン選手、生き残る。
優 勝 !
ちょっと後味の悪さは残りました… が、勝ちました! 勝ってしまいました! 1つのシリーズで3勝なんて、いつ以来だかわかりません! そしてシリーズランキングトップに立ちました! 勝因はこだわり続けたコーナリングスピードに尽きると思います。結果的にかなりオーバーステア傾向のクルマになって、本来はフロントタイヤが厳しいはずの鈴鹿でリアタイヤを守る走りをするのは変な感じでもありましたけど。
いや、うん、よかった。よかったんだ……
2位はなんだかんだでEVO選手でした。3位には粘りの走りで生き残ったクリスタル選手がコースアウトしたライオン選手を交わして入りました。最初に言ったように今回、EVO選手のリバリーは完全なる佐藤琢磨仕様だったわけですが、アウトから度胸一発被せて行って飛ばされるというのはまさに佐藤琢磨らしい、「佐藤琢磨み」に溢れた走りだったと思います!!
……当てた側のヒトが言うことではないですが(苦笑)
マツダ100周年記念杯も残り2戦となって、次回はレッドブル・リンク! ペンギン選手は富士2位のウェイトハンデ75kgを背負うことで苦しいレースが予想されるものの、今回のような荒れた展開になる可能性もゼロではないということで希望を捨てず…
せーのっ!
がんばりまゆゆ~!!